東大寺整肢園におられる「子安地蔵」さま
                  子供と一緒にあそんでおられる。「ここから動かな
                  い!」ことで坐像の姿である。「おじぞうさま」への
                  「願いと祈り」が形になる。

 それでは皆様に有り難い、お地蔵様の話をしましょう。
 昔々、遙か西方に天竺国という国がありました。そうです。皆様の知っているお釈迦様の生まれた国です。この国にはバラモンの教えがあり、お釈迦様も始めはバラモンの教えを戴いておりました。その中に親孝行な娘が一人おり、名前を『光目』と申します。その娘は心優しく見目麗しく、誰にもたいそう好かれおる娘ではありますが、しかしながらその母親はたいそう欲張りで三宝(仏・法・僧)を軽んじ、自分の娘でさえ使役する類の人でありました。
 それでも娘は少しの不平ももらさず、その母親を大事にして良く仕えておりました。この母親にもどこか良いところが有ったのでしょう。
  ある日この母親の罪業が積み重なり病となり、母親はたいそう苦しみながら息を引き取りました。娘は大いに悲しみ埋葬を済ませ、供養の為に田畑と家を売り、貧しい人々に布施をほどこし、毎日を寺に墓参しておりました。
 その日も墓参のため寺に行くと一人の羅漢様がおられ、娘は羅漢様にあの世の母親は何処でどうしているかを問いました。羅漢様は娘の親孝行に感じ入り、すぐに禅定に入られました。そしてしばらくの後に目を見開かれ娘に告げました。『そなたのお母様は無間地獄にてたいそう難儀をされている。』それを聞き娘は涙をして羅漢様にすがり、貧乏になった自分はどうすれば地獄の母親を救えるかを問いました。すると羅漢様は娘に『清浄蓮華目如来』の絵を描き、帰依することを娘に勧めました。娘は言われたとおりに絵を描き、発願を起こしました。
 『願わくば、尽未来劫、悪趣六道を住処とし、百千億劫のうち世界所有の、地獄および三悪道の罪報に苦しむ衆生を、広く方便を設けて成仏し終わりて、我、しかる後にまさに正覚を成さん。』
 すると、どうでしょう。絵に描かれた清浄蓮華目如来様が娘の前に現れ出て、その発願を良しとなされ、『汝の母は百の寿を保った後、無憂の国土に生まれ変わるべし。』と、娘に告げられたのです。
 そう、このバラモンの娘こそがお地蔵様の前生なのです。お地蔵様は僧形をなされ、端厳にして眉目秀麗、右手に錫杖を持ち左手に宝珠を戴かれ、足は半歩前へと出ておられます。
 お地蔵様は慈悲深いゆえに浄土に住まず、この世との縁が深いゆえに入滅もせず、人々の信仰の力を待たず、臨終の際とも限らず、六道のちまたに立ち、貧しき者、悪しき者達と交わり、縁無き衆生すら救いたまうのです。
 そしてお地蔵様こそはビルシャナ仏・大仏様の化身であり、国土を荘厳にして行くのです。それは菩薩行を行うお坊様がたくさん出て、世のため人のために働くことです。
 お地蔵様が日本全土に溢れているのはその為なのです。
 このお地蔵様の祈りと願い、お地蔵様への祈りと願い、私たちは大事にして行きたいと考えています。    



お地蔵様と町作り
この話は「仏教」の教えの一つですが、「迷い苦しむ者の救い」という、宗教の普遍的な問題が問われています。現代においても「地蔵信仰」は続いています。過去・現在・未来へと語り継がれる内容が「私たち」の側にもあります。
 今回、私たちは「お地蔵様」を見つめることにより自分たちの町を見直してみようと話し合いました。
なぜなら、昔の人々の生活の「願いと祈り」と、現在を生きる私たちの「願いと祈り」に、多くの共通点があると考えるからです。言い換えれば「願いと祈りの中に私たちは生きている」と気づくからです。私たちは昔を生きた人々の、願いと祈りに耳を傾け、今を見つめなれればならないのではないでしょうか。それはこれからの町作りにも生きてくるのではないでしょうか。
私達はこれからも町のお地蔵様を讃えたいと考えています。

・ぶらぶら地蔵

おじぞうさまの話 

 お地蔵さま  

EAmE7 Am Dm Am
1.お地蔵さま 願い 叶え たまえ
  E  E7AmDmAm
あの人に 心 伝えて   
  Dm   E7 E   E7
待っています  いつまでも
  Am  E7Am  E7
愛する人を どうか 帰して

EAmE7 Am  Dm Am
2.お地蔵さま どうか 助けたまえ
E   E7 AmDmAm
泣く 子等に 食べるものを
Dm E7E   E7
戦の火は 村を焼いた
Am     E7Am  E7
追われて みんな 離れてしまった

E  Am E7 Am Dm  Am
3.この世の 望みは 全て あきらめましょう
E  E7E AmDmAm
  紡ぐ 命の 絶えぬ 様に
Dm E7E   E7
  あの 人は 囚われて
Am     E7Am E7
  みんなの 希望と 共に 消えた

E  Am E7 Am Dm Am
4.浄土の光に 我を 導きたまえ
E   E7 AmDmAm
  小さな 我子も つれてゆけ
Dm  E7E  E7  E
  穢土に まみれて 汚れていく
Am     E7Am  E7E
お地蔵さま どうか 救い たまえ   byたびのふくすけ

 おじぞうさま  データベース 

聖武天皇の事績

光明皇后の事績